2008.05.28 Wednesday

ワクチンは、誰に接種すべきか? 

 5/24の日経新聞の一面トップは、新型インフルエンザのワクチンを全国民に用意するよう経団連が政府に要請したというニュースでした。

 国内で感染が広がれば、経済活動に大きなダメージがある。そう危惧しての政策提言です。新型インフルエンザが大流行する前の予防として使われる「プレパンデミック・ワクチン」は、日本には2000万人分しか備蓄がありません。

 政府はもともと今年度に医療関係者など6400人に限って接種、来年は警察官など1000万人を対象にする予定でした。経団連では、企業がワクチンを買い取る仕組みにして国の負担を軽くする案なども出ているそうです。

 この記事を読んで……なぜ政府は最初から全国民分を用意することを考えなかったのかという疑問が! 経団連に言われるまでもなく、です。ひとつは、600億円とも言われる費用にあるのかもしれません。企業に負担させるという経団連の提案はとても理にかなっているとは思います。

 この、限りあるワクチンについては、医療関係者優先というのももっともなのですが、2年前に米国では、誰を優先して接種を受させるべきかという議論が起こっていたようです。ナショナルジオグラフィックがこのことを取り上げています。

 まずはワクチンを製造する人、医療関係者が1番目、そして米国では大流行の際にさまざまな地域に駆けつけて支援するべき兵士たちが2番目。3番目に誰が受けるべきかという議論です。

 そもそも、米国保健社会福祉省では、まっさきに打撃を受けるであろう高齢者、幼児、慢性疾患患者などが優先的にワクチン接種を受けるということを前提にしています。

ただ、『サイエンス』誌に掲載された論文は、それとは別のモデルを提唱しており、13歳~40歳の健康な人々にワクチン接種が優先されるべき! と真逆の発想です。

 ライフサイクル割り当て原理という考え方で、簡単に言ってしまうとすでに生きてきた時間よりもこれから生きる時間が長いと思われる世代、ということのようですが、その根底にあるのは「あなたとあなたの子どものどちらが、ワクチン接種を受けるべきか」という問いに、多くの人々が「子どもである」と答えるに違いない、という考え方だったりします。疫学的な調査とは別に、人間の感性の部分が入っているのだなあといい意味で驚きました。

日本語で訳しているサイトもありますので、ぜひ読んでみてください。

 子どもが生まれて、結核や百日咳・ジフテリアなどの予防接種の複雑なスケジュール組みに走り回っているいまは本当に平和なのだと、ふと、これから先に起こる「かもしれない」脅威に思いをはせました。新型インフルエンザ……どういうことになるか想像もつかないものなら、私もどうあっても子どもを優先してほしいと心から思うのです。

 もちろん、全員にワクチンがいきわたるというのが最善の策であることは、言うまでもありません!!

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さて、今日の貂々さんです。
その日は突然やってきます……。私にとっては、「物体」から「ペット」への昇格、って感じでした。
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ニコッ.jpg 


2008.05.21 Wednesday

子どものための第三の場所

 習い事ほど定期的ではなく、子どもが自分で考えて行動できる環境で、家庭でも学校でもない場所。
 そんな意味で私が注目しているのが、ワークショップです。

 まず、家庭も学校も圧倒的に過ごす時間が長い。とするともちろん、いいことばかりではありません。
 しつけも授業も、どちらかというと「受け身」の時間が長いわけですし、親や先生との摩擦もあるでしょうし、兄弟や友だちとはケンカにもなるでしょう。

 子どもにだって息抜きが必要。しかも、それが楽しくて子ども自身の成長にも寄与していたらこんなにいいことはありません。そんなことを考えてcafeglobe.comではワークショップに関するコンテンツも発信しています。

 ワークショップ・プランナーの大月ヒロ子さんの「ワークショップの?と!」は、水から自由に連想されるワークショップの姿をつづっています。世の中にはさまざまなワークショップがありますが、自分が気づいていない世界がそこに広がっているのがまた楽しいのだと思います。

 アーティストの日比野克彦さんもワークショップ活動に力を注いでいます。斬新な企画を次々打ち出し、“リピーター”も多いのだとか。

 私が子どもに受けさせたいなーと思うのは、CAMP。さまざまなワークショップがあるのですが、なかでもコンピュータを使うクリケットワークショップは、子どもでも直感的にさわれるのが特徴。楽しみながら共同作業しながら、プログラミングの基本のきが学べるなんてすごい! 私も受けたかった……なあとつくづく思います。

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さて、先週気になった貂々さんのひとコマ。あるある。わかります~
私も子どものとき、なんだか嫌いでユウウツになったものです。
黄昏泣き.jpg 



2008.05.15 Thursday

住んでいる地域で子どもの健康が左右される?

  GW明けに子どもが発熱し、あわてて近くの総合病院に行きました。その病院は、急な発熱などで保育園に行けない子どもを日帰りで預かるデイケア入院をやっていて、その日も仕事がつまっていた私は、診察時に先生に「デイケア入院希望です」と伝えました。

 聴診器をあてながら「あれれ、この音じゃお母さんの都合でのデイケアじゃなくって本格的に入院してもらわないとね」と医師からお達し。診断は、「RSウイルス感染症の疑いありの上気道炎」でした。

 初めての発熱が初めての入院になってしまいましたが、そこでふと思い出したのは、私の住んでいる地域では、確か「乳幼児医療症」というのがあって、自己負担分の医療費助成がある!ということ。忙しさを理由にずっと申請せずにいました。

 慌てて申請へ。翌日郵送で医療症がとどきました。この区に住んで健康保険に加入していれば0~15歳まで誰でも受けられるものです。子どもも6ヶ月を過ぎて、これから免疫がどんどん低下し、かつ、比較的規模の大きな保育園に通っているので、これから本当にたくさんの病気をもらうんだろうなあ……医療費いくらかかるんだろうと心配していただけに、改めて医療証をもらって、子どもひとりへの手厚さを感じました。

 そういえば、妊婦検診も、今年の4月から多い区で14回の助成制度がスタートしました。検診費用は保険がきかないため、トータルで十数万円くらいの出費になります。私が出産したのは昨年なので、確か2回しか補助されなかったなあと思いつつ……今年妊娠していれば、検診費用がほとんど浮くことになります。

中には5回という区もありますが、2回に比べればマシ。ただ、東京を離れて全国を見渡してみると、京都市はたったの1回。関西圏では2~3回というところがかなりあることがわかりました。検診を受けないまま、出産間際に救急車で搬送される“飛び込み出産”
のたらい回しのニュースは、確か関西のほうが多かったような記憶があります。

 住んでいる地域で、子どもにこれだけの格差がある……このネタ元は、『週刊東洋経済』。5/17今週号は、「子ども格差」が大テーマ。未来を担う子どもの経済環境、健康、教育などの観点からの格差をとりあげています。

 そういえば、私が自分のブログで、子どもを2ヶ月半から保育園に預けたと書いたところ、「東京はすごい」という反応がありました。確かに、歩いて数分の保育園にゼロ歳で預けられ、デイケア入院できる総合病院が近くにあり、とそこまで考えると、本当に恵まれた環境だなと思います。同じ東京でも、江戸川区では公立で0歳児保育はやっていなかったりします。知らずに引っ越していたら、「ひえー」となっていたと思うのです。

 その江戸川区ですが、代わりに保育ママ制度が充実していたりします。先週ご紹介した、「新待機児童ゼロ作戦」の目玉は、保育ママ制度の充実。今国会では、保育ママの要件が緩和される見込みという。

 まずは、自分の住んでいる地域ではどんな補助や制度があるのか。引っ越す前に、さまざまな「地域格差」をしっかり確認しておくことが大事だとつくづく思いました。

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 さて、今日から番外編の番外編。cafeglobe.comで新連載のマンガ家、細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんのひとコママンガは、全国のワーキングマザー必見。「そうそう、そうなのよね~」と笑えるツボが毎日!

 さて、今日のちーと君のつぶやきは……??
細川baby.jpg

 


2008.05.08 Thursday

仕事と家庭が二者択一でない、という言葉

cabiネット.jpg   社団法人 日本広報協会の広報アドバイザーをつとめているご縁で、政府が発行する情報誌『cabiネット』の評価をさせていただく機会がありました。

  実は、こんな機会がなければ、私は『cabiネット』の存在をずっと知らなかったかもしれません。政府広報もまずはこういう情報誌があるという広報から始めたほうがいいのではと強く思いました。

  新幹線駅、空港、病院、図書館、市区町村役場などにおいてあるとのことですが、手に取った記憶はありません。ネットユーザーのみなさんは、サイト上で全ページ読めますのでぜひチェックしてみてください。

  というわけで、こういった公的機関の発行する情報誌は、カタくて読みにくいのではという先入観をしっかりもってページをめくりました。が、随所に読ませる工夫をこらしていて、よく編集されているなあというのが実感でした。テーマによっては少しぼやけて惜しい!と思う号もありますが、いま政府が何を考え取り組んでいるのかのアウトラインがよくわかります。

  たとえば、2008年3月5日号では、タイムリーに食の安全を取り上げ、いま政府が取り組んでいることのほか、生活者に近い視点で食品表示の見方、スーパーでの表示の仕方を実例豊富にわかりやすく取り上げていて、思わずフムフムと読んでしまいます。消費期限と賞味期限の違いなんて知らなかった! という発見もありました。

  2008年3月15日号では興味深い記事を見つけました。
 
  福田内閣メールマガジンが記事になっており、第20号の内容は、「新待機児童ゼロ作戦」。新、がついているのは小泉内閣時代にも「待機児童ゼロ作戦」があったからです。今後3年以内にさまざまな施策をうつそうなんですが、メルマガの内容だけでなく、この「ゼロ作戦」のポイントが図解でわかりやすくまとめられています。こちらから読めますのでぜひ。

  それによると、待機児童の多い地域に対する重点的な支援などについて夏頃を目途に検討するともあります。カフェグローブ・ドット・コムの女性社員も、第二子を出産後、今年4月に復帰予定だったのが保育園に入れず秋以降に伸びてしまいました。これは本当に小さな会社にとっては痛手です。

  仕事と家庭が二者択一ではない社会をつくりあげたい、という福田さんの言葉ですが、単に保育所だけの問題ではなく、多様な働き方を受け入れる企業や社会の仕組みも同時に実現していかないと、です。


2008.05.01 Thursday

夫の親戚の中に入る嬉しさと微妙な感覚

 このGW前半は、夫の実家松本へ行ってきました。子どもが生まれて初めての里帰りです。松本に住んでいる義父や義母の兄弟にも初顔見せとご挨拶に行ってきました。

「父方の親戚一同が集まると、知らないイトコがいる」と夫から聞かされていましたが、それもそのはず、義父は9人兄弟。イトコだけで少なく見積もっても20人以上はいるらしく(数えたことがないとか)、昨年は我が家も含め、イトコの子どもたち、ハトコの誕生ラッシュ。さらに親戚の数はふくれあがっていきます。

 私にとってのイトコは、血のつながりという以前に、極めて近い濃い存在です。両親は、それぞれ3人ずつの兄弟姉妹で、イトコは父方がふたり、母方が5人。交流もかなりあり親戚というより家族に近い感覚です。なので夫の親戚の多さはちょっとした異文化体験。親戚の話になると、とにかくたくさんの名前が出てきて、いま○○ちゃんはどうしているの、といった話に花が咲きます。

 そんな話を聞いていて、新しい感覚が自分の中に出てきたのを感じました。入籍して夫の姓を名乗るという事実から言えば、私は嫁として彼の親戚の輪に入ったわけですが、遠くに住んで頻繁には会えないので、正直、実感はあまりありませんでした。時間的に長く過ごしていることで、血のつながりとは別に身内感覚は生まれてくるものだとも思います。

 それが、子どもを持ったとたんに、このたくさんの親戚、イトコやハトコたちとうちの子どもが「つながっている」という感覚が生まれたのです。子どもがいることで場がなごみ、話もはずんだということもあったと思います。

 私自身は、夫婦別姓を心待ちにしている一人であり、また、自分たちの子どもが持てなければ養子をと考えていたこともありました。不妊の辛さを経験しているだけに、あえてそういう感覚からは距離をおいていたような気もします……。

 そういう意味では、いいとか悪いとかということでなく、そんな感覚が出てきたこと自体が発見でした。逆に言うと、その昔、とくに武家社会において結婚して子どもを持たなかった女性たちが蔑称で呼ばれ、いかに疎外感や孤独感を味わったかということも同時に感じました。

 夫の親戚がより身近になった嬉しさとともに、この社会で女性という性のおかれている立場の微妙さ、危うさをも、また改めて感じた里帰りでした。

 ↓松本からちょっと足を伸ばして黒部ダムへ。まだ雪がこんなに残っていて、風も強く寒かったのですが本当にきれいでした。エネルギー不足からの建設への決断、その後の苦労も知ることができて、行ってよかったです。プロジェクトX、見たくなりました。

黒部ダム.JPG



Profile

矢野貴久子


出版社、フリー編集者を経て'99年にネットメディア、カフェグローブ・ドット・コムを設立。多忙な30代を経て40代で不妊治療を開始し、'07年11月に45歳で男児出産。'08年2月に職場復帰したばかりの新米ワーキングマザー。その日常は自身のブログ「朝と夜のあいだに」にても執筆中。
http://www.cafeblo.com/asayoru/
カフェグローブ・ドット・コムはこちら
http://www.cafeglobe.com/

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