2008.07.02 Wednesday
その発想は画期的だったのに……がっかりな制度
少し前ですが、6/20付日経新聞夕刊に、認定子ども園を取材した記事がありました。
私も不勉強でよく知らなかったのですが、認定子ども園とは、保育園と幼稚園のいわば「いいとこどり」な施設です。親が働いているいないにかかわらず、昼過ぎから夕方まで預かってもらえます。ちなみに幼稚園は昼過ぎには帰されてしまうので、共働き家庭だと通わせにくいのですね。
また、そもそも、幼稚園は定員割れしているところが多く、そこを保育園の待機児童の受け皿にできないか、という発想でもあったようです。
この認定子ども園、制度発足から1年半たっても施設数は計画の一割ほどしかないそうです。既存の保育園や幼稚園が連携したり、保育園が幼稚園を併設するなど、4つのタイプでの「子ども園」誕生が見込まれていたのですが……。保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省という二重行政の歪みは以前から問題視されていましたが、結局ダメじゃん、何も学んでないじゃん、というところですね。
まず、なぜうまくいっていないかを記事からひろってみると……
●制度のはざまで自治体から受け取る運営費の支給額が減ることがある
●建築基準法で幼稚園と保育園は別物で、同じ施設内で両方を運営する場合は防火シャッターが必要になり設備費がかかる
●事務手続きが煩雑。保育園は市町村所管で、幼稚園と子ども園は都道府県。
ビジネスとして考えたら、あり得ない話です。あずかる子どもの総数は増えるのに、収入は減り、設備費がかかり、運営が煩雑になってその結果人件費もかさむかも……と思ったら何のメリットもありません。こんなこと誰もわざわざやりたくないですよね。定員割れしている幼稚園が、定員確保のために子ども園として認定を受けるというだけ、という批判もあります。
発想はよいのに、いざ実際の運用となるとスキや穴だらけで、使えない制度……。なぜ実際の運用のことを考えて、全体設計なり調整なりしないのだろう、と本当に不思議です。 税金使ってやっていることなのに、いつもそうですが、責任の所在もはっきりしません。
二重行政への批判が多いために、やっと、厚労省と文科省は現状分かれている関連予算を「子ども交付金」として統合する仕組み作りに着手したそうですが、今ごろ仕組み作り、なんて遅すぎるにもほどがありますよね。先の見通しも当事者意識もなく、非効率きわまりない制度を見切り発車させてしまう縦割り行政……責任も曖昧で、だから失敗も次に生かせない負の構造が延々と続いているような気がしてなりません。
年金しかり、後期高齢者医療制度しかり。
というわけで、またまた私も心底がっかりな記事でした。
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今週の貂々さん
朝できたものが夜には消えていた……本当です。
Profile
矢野貴久子
出版社、フリー編集者を経て'99年にネットメディア、カフェグローブ・ドット・コムを設立。多忙な30代を経て40代で不妊治療を開始し、'07年11月に45歳で男児出産。'08年2月に職場復帰したばかりの新米ワーキングマザー。その日常は自身のブログ「朝と夜のあいだに」にても執筆中。
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