2008.10.07 Tuesday

心のデトックス、それが問題だ

 先週、スリングの話を書いたところ、Domani編集部の担当Sさんから、こんなコメントをいただきました。

 Sさんの出産は8年前なのですが、その当時は、スリングなんてなかったと。
たまたま、Sさんのベビーは、置くと泣くタイプ。抱っこでしかも歩いていないと泣いてしまう……。少しでもイケてる抱っこ紐を探して、ネットサーフィンし続けてやっとひとつ見つけたそうです。

 ベビーカーも、輸入の3輪ものがようやく入った頃で、重くて押しにくく……。ママチャリもどうしても納得いかず、なんと、プジョーの変速付自転車に、子ども後ろ乗せをつけて走っていたそうです。それはそれでカッコイイ! のですが、たった8年前でそんなに大変だったとは、というのが正直なところ。

 そのSさんからのコメントは、最後に「これからもっとお洒落なものが増えて、ストレスフリーな子育てができるようになるんでしょうね」という言葉がありました。

 ストレスフリー。そうか、本当にその言葉を私たちは必要としているんだな、と改めて思いました。自分のお洒落に気を使うように、気に入ったお洒落なアイテムで育児をする。一見他愛もないようで、実はとっても大事なことなのだと。

 そんなときに『アエラ』(朝日新聞社刊)10/13号の「夫の殺意が子に向かう」というショッキングな見出しを見つけました。このところ報道が絶えない、母が子どもを手にかける事件がなぜ起こるのかを取材した記事で、今年は9月だけで6件。なぜ連鎖するのか。

 最も愛すべき存在の、自分の子どもを手にかける。その理由が決して育児放棄などではなく、育児に悩んだ末の結果であるというくだりに、またショックを受けました。

 子どもの鼻がズルズルし始め、なかなか治らない。ある事件はそれがきっかけでした。病院を点々としても悪いところが見つからない。治してやれない自分を責め、自信がなくなってしまう。……程度の差こそあれ、母なら誰でも思い過ごしだったり悩みすぎだったりという経験はあるはず。子どもを手にかけてしまうほど追い詰められる背景には、夫のサポートが希薄であるということもその記事は伝えていました。

 命を守り育てる当事者意識が、母だけでは行き詰まってしまいがちなのは、実際に経験した者としてよくわかります。母はどうしても頑張ってしまうもの。ストレスフリーのための心のデトックスは、この複雑で孤立しやすいいまの社会ではどうあっても必要なものです。

 お洒落心のようにそれは、ちょっとしたことだったりします。誰かと一緒のつかの間のティータイム、他愛もない会話、いたわり、共感、ボディタッチ……。物理的なサポートももちろんありがたいのですが、私自身、おっぱい・おむつ・おっぱい・おむつの無限スパイラルの新生児を前にゾンビ状態だった頃は、そういった思いやりがどんなに嬉しく救われたことか。

 また、それを自分で求める余裕も持ちたいもの。心のデトックスは当然の権利なのだと女性自らが思えるような環境、ひいては教育(女性にも男性にも)というか、前もっての知識、いえ、知識というより心構え!、それが本当に大事なのではと感じています。

 私の子どもは息子なので、絶対にそれを教えるぞ、と心に決めています。
 未来の妻から、一生感謝されるはずだからです。

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今週の貂々さん

そう、どんどん可愛くなくなっていく部分、ありますよね。
赤ちゃんっぽさが小僧っぽくなっていく瞬間。

ぷっ.jpg


Profile

矢野貴久子


出版社、フリー編集者を経て'99年にネットメディア、カフェグローブ・ドット・コムを設立。多忙な30代を経て40代で不妊治療を開始し、'07年11月に45歳で男児出産。'08年2月に職場復帰したばかりの新米ワーキングマザー。その日常は自身のブログ「朝と夜のあいだに」にても執筆中。
http://www.cafeblo.com/asayoru/
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