2008.10.30 Thursday

名前は、慣れてなじんでしっくりくるもの

 今週は、日経平均がバブル後最安値となり、極端な円高かと思ったら今日は米国株が大幅上げ、円急落と、なんとも振れ幅の大きい市況です。それだけ世の中の不安が大きいのでしょうね。日銀も利下げ検討に入りました。

 ここのところ明るい話題がなかなか見つからないので、今回はいつもと違って、ネーミングの話を。ネーミングって生き物だなあ、自分で成長していくんだなあと思ったエピソードを紹介します。

 実は、インターFMの番組で11月に1ヶ月だけ初体験のDJをやらせていただくことになりました。毎週土曜日11:00~の『M Style』という番組なのですが、「女優肌」のキャッチコピーで知られるエクスボーテを出しているマードゥレクス提供の番組です。

 このご縁があって、マードゥレクスの社長にお会いする機会がありました。私が一番お聞きしたかったのは、ずっと印象に残って離れない「女優肌」のキャッチコピーを、誰がどのように考え出したかということでした。

 そもそもは、ハイビジョン放送が開始されたときからそれに耐えうるファンデーションをということで職人技による手作りで開発されたものが原型とのこと。それがまずは女優たちの間で評判になり、処方を変えずに大量生産化に成功して今日にいたるわけですが、この製品について試行錯誤を繰り返してつくりあげた当時の社長と現社長との間でこれだ!と決めたのが「女優肌」。

 当時は、女子社員の方にも不評だったそうです。「男性目線すぎる」と。でも、今となっては、私にはひところ美容ページで流行った「目ヂカラ」と同じように、力を持ち、かつその力が長持ちする言葉に聞こえます。

 名前やキャッチコピーというのは、つけたときは多少「???」でも、必ず一人歩きして独自の世界を持っていくものなのだ、と確信できたのは、雑誌『Hanako』が創刊されたときでした。当時、マガジンハウスで仕事をしていた私は、「スナックじゃないんだし……」「Hanakoの○○(名字)ですがって恥ずかしくて言えない……」という声を多く聞いたものでした。私も確かにちょっと違和感がありました。

 でも、その後マーケティングの世界では「Hanako世代」と名付けられるほどのブームもあり、Hanakoと言えばあの雑誌と誰もがイメージし、すっかり定着。そういえば、同社ではもっと昔には『クロワッサン』が創刊されていて、そのときも「パン屋じゃないし」という意見もたくさんあったそうです。

 というわけで、名前というのは最初はちょっと違和感があっても、その中身が面白かったり充実したりしていれば、しっくりと力を持ってしまうものなのですね。でもその中身がしっかりしていないとダメなわけですが!

 ……そういえば、さかのぼること十数年前でしょうか、ラルクアンシエルというバンド名を最初聞いたときは、わけわかんない、覚えられない、売れなさそう~と思ってしまいました。ごめんなさい。当時で覚えられない私はすでにおばさん化してたとしか言いようがありません。

 最後に、少し前に書いた、ひどいネーミング+誰にもわからない内容、こういうものは、早々に退場ですね。


Profile

矢野貴久子


出版社、フリー編集者を経て'99年にネットメディア、カフェグローブ・ドット・コムを設立。多忙な30代を経て40代で不妊治療を開始し、'07年11月に45歳で男児出産。'08年2月に職場復帰したばかりの新米ワーキングマザー。その日常は自身のブログ「朝と夜のあいだに」にても執筆中。
http://www.cafeblo.com/asayoru/
カフェグローブ・ドット・コムはこちら
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