2009.09.07 Monday

かものはしプロジェクト、という活動

 同じ人間として、そして女性のひとりとして、この世界であってはならない話を聞きました。

 話をしてくれたのは、カンボジアの児童買春問題の解決に奔走している、NPO法人かものはしプロジェクトの村田早耶香さん。(下の写真右が村田さんです)

現地の村田さん.jpg

 実は、cafeglobe.comでも2005年に取材させていただいていたのですが、直接お会いするのは初めてでした。

 衝撃的だったのは、カンボジアでは、ビールを買うより女性を買うほうが安いこともあるということ。ビールが1.5ドルくらいとすると、28歳の女性の値段はその半額……未成年の子どもや児童は、バージニティがあれば高く売れ、年齢が低ければ小児性愛を好む人たちに高く売れる……。

 驚くべきことに、カンボジアでは昨年まで、10歳の子どもを買春するのは法律がゆるいせいもあり、取り締まりが難しかったのだそうです。実例としては、5歳の女の子を買春、ということも。10歳に満たない女の子たちが売春宿に売られ、電気ショックを与えられながら働かされている、そんな現実を村田さんから聞き、返す言葉もありませんでした。

 農村では、貧困から「出稼ぎ」と信じて子どもを売る例が後を絶たない……。もちろん、買春するほうのモラル云々の話もあります。

 でも、買春問題は、需要と供給があってなりたってしまっている。供給側のそもそもの根っこは貧困にある。その貧困をなくして人々が出稼ぎや子どもを売らなくても生活できるようにするのが本質の解決である、というのが村田さん率いるかものはしプロジェクトの考えです。

 貧困をなくすためには、雇用を生み出すための仕事が必要。でもそんな経済活動を定着させるには「知識」つまり教育も必要です。

 カンボジアでは、ポル・ポト政権によって900万人のうち、知識層を中心に150万人もの方々が殺されたといいます。国の頭脳が失われていることも貧困理由のひとつだそうです。

 こんな背景もあり、村田さんたちがスローガンにしているのは、
「大人に仕事を、子どもに教育を」です。

工房の様子.jpg

 特に貧困が激しい農村に工房をつくって、職業訓練といぐさの製品をつくって雇用を増やしています。

 平均的に、農業収入にプラス3,000円で最低限の生活がなりたつそうで、現場でも営業力や商品力をつけるために、カンボジア人と一緒に日本人が頑張り、また、ときどきプロの日本人デザイナーが訪れては一緒に作業をしています。

少女2人.jpg

 今後の目標は、工房で受け入れる人数を、現在の40名から100名まで増やしたいとのこと。100名=100世帯の貧困がある程度解消されるわけですが、カンボジアの最貧困世帯の数を考えると、100名の雇用で救えるのはまだ数%。

 とはいえ、逆に言えば、数%の貧困が救える事例がつくれれば、それを発展させていけばいいわけだから、本当にすごいことをやってるということですよね。

 まさにソーシャルアントレプレナーとはこういう人のことです。

 彼女を動かすこの熱意が生まれたのは、19歳のときに、ひとりの女性の話を聞いたのがきっかけでした。

 ミーチャというその女性は、数千円で売られ、売春を強要された結果20代前半でエイズで亡くなっています。

 自分が通っている大学の授業料で何人が救えるのか。先進国で気軽に生きている自分と、年齢が同じミーチャとの違いは、生まれた国が違うだけ。そんなことがあっていいのか。ここで話をとめてしまってはいけない、自分が何かできることはないのか、という思いが原点だったそうです。

 うーん、本当に。本当にそうです。
 生まれた国が違うだけでこんなことあっていいわけありません。

 村田さんは、働く女性の仲間です。現地に行ってサポートできない同じ働く女性の私たちができることは、可能な範囲での寄付、金額的なサポートです。それを村田さんたちに託して、コミュニティファクトリーモデルが、1日も早くビジネスモデルとして確立され、その手法が全国に広まっていくのを手助けしたいと思います。

 興味をもたれた方は、ぜひかものはしプロジェクトのサイトか、村田さんの著書『いくつもの壁にぶつかりながら』 を読んでください。ちなみに、印税はすべてカンボジアでの取り組みに寄付されます。

本.jpg

 村田さん、がんばってね。同じ働く女性として、困難な仕事に挑んでいる村田さんを心から応援します!!


Profile

矢野貴久子


出版社、フリー編集者を経て'99年にネットメディア、カフェグローブ・ドット・コムを設立。多忙な30代を経て40代で不妊治療を開始し、'07年11月に45歳で男児出産。'08年2月に職場復帰したばかりの新米ワーキングマザー。その日常は自身のブログ「朝と夜のあいだに」にても執筆中。
http://www.cafeblo.com/asayoru/
カフェグローブ・ドット・コムはこちら
http://www.cafeglobe.com/

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